英検1級に関して思うこと

英検1級に関して思うこと

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2017年度 第1回の英検1級の難易度は?

先日実施された2017年度第1回 英検1級の(英作文を除く)読解パートを解いてみました。結果は以下のようになりました。

語彙 21 / 25 (8分)

空所補充 5 / 6 (11分)

読解  10 / 10 長文1 (7分)、長文2 (7分)、長文3 (11分)

全部で45分ほど。全体的には通常どおり、もしくはやや解きやすかったように感じます。採点基準が変わり1年が経ちましたが、問題の質自体は変わっていないようで少し安心しました。(英検の長文はTIMEで扱われる話題が出ることも多く、今回出てきたtelomereも、TIMEの複数の記事で読んだことがあります。)

配点に関する疑問

ただ、気になることが1つあります。語彙の配点、いくらなんでも多すぎではないでしょうか。単純に1問が1点となるわけではないのですが、語彙の配点の方がリーディングの配点よりもだいぶ高くなっています。リーディングの合格ラインが大雑把には7割正解(41問中29問正解)のようですので、読解がかなり苦手であっても、語彙で高得点をとれば合格することも可能です。

2015年度までの英検1級は、語彙が25点、読解が26点でした(ライティングは28点、リスニングは34点)ので、いくら語彙で頑張ろうが、正確に文章を読めない人はどうやっても受からないように工夫されていました。そしてそれこそが、英検1級の価値でした。

リーディング力というのは、当然ですが、「長文がどれだけ理解できるか」を意味するものであり、「難しい単語をどれだけ知っているか」ではありません。英語を読みこなせる人は、多くの英文を読んでいるため、難しい単語も多く知っている可能性は高い一方で、その逆は成り立ちません。難しい単語を知っているからと言って、読解力があることにはならないのです。

実際、英検1級の受験者の中には、語彙で20問以上正解しながら読解は3~4割、という人も珍しくありません。しかし現状では、このような人が読解で偶然5割とれた場合、十分に合格点に到達するのです。果たして、その人は英検1級の実力に値する長文読解力があると言えるのでしょうか。

現在の傾向が続くのであれば、単語帳で難しい単語をひたすら暗記して、長文はそこそこで乗り切ろうとする学習者が増えるのは目に見えています。それは、本来目指すべきリーディング力(すなわち、どんな文章でも正確に読みとる力)を身につけるためには有害ですらあります。真の読解力は、難しい文章を数多く読みこなすことでしか身につきません。

上級レベルの人が読解力を伸ばす方法は、私のホームページのリーディング関連の記事を参考にしてください。真の上級レベルを目指すために 「文章を読む」とは~語彙力は本当に必要か~

今後、英検1級に合格しても、読解力不足のために英語圏の大学の授業についていけない人も出てくることが懸念されます。リーディング、リスニング、ライティングの配点を3分の1ずつにする、という点に異論はありませんが、リーディング内での長文読解の割合は、現在よりも大幅に上げるべきです。正しく英語力が測れるテストになることを望んでいます。