この英文、正しく読めますか?

この英文、正しく読めますか? ~英文解釈の重要性~

リーディング力を大きく向上させるためには、多読、速読が重要であることは言うまでもありません。一方、いくら熱心に多読や速読を行っても、いつまでたっても英語力が伸びない人が存在することも事実です。
原因は大きく2つに分けられます。
1つ目の原因は、文と文のつながりが見えていないこと。
これに関しては、「文章を読む」とは ~語彙力は本当に必要か?~を参考にしてください。

今回は、もう1つの原因である「英文解釈力の不足」について考えてみたいと思います。
文単位での読解ができていない人は、意外に多いものです。
同時に、そういった人たちは、自分が正しく読めていないことを自覚していないようです。

あなたはきちんと英語が読めていますか?この記事で、解釈力を確認してみましょう。

課題文

以下の文の意味を考えてみてください。

ロボット開発に関しての記事から引用したものです。
ロボットは、そもそも人間の命令には従うものですが、人間は時に間違った命令をすることがあります。
おかしな命令に従うことで危険な事態が発生するのであれば、ロボットはあえて命令に従わないことも必要になってくるだろう、という内容が引用部分の前に書かれています。

How people will react when robots reject commands is another open-ended subject for research. In the years to come, will humans take robots that question their practical or moral judgments seriously?

確認問題

②の文に関して

  1. that の働きは何か。
  2. question の品詞と意味は何か。
  3. their が指しているものは何か。

を考えてみてください。

正しい解釈と意味

一文ずつ見ていきましょう。

How people will react when robots reject commands is another open-ended subject for research.

[How people will react (when robots reject commands)] までが文の主語、 is が動詞です。
open-ended は、「答えを出すのが難しい」くらいの意味です。
道を進んでいって、行きついた先が開いているようなイメージです。
閉じていれば答えにたどり着くことができますが、 open になっているため、答えが簡単には出ないのです。
①の文の意味「ロボットが命令を拒否する時に人々がどう反応するかは、もう一つの難しい研究テーマである。」

In the years to come, will humans take robots that question their practical or moral judgments seriously?

問題は二文目です。 In the years to come は、これから先に来る年月、なので、「今後」としておきます。
その後の that の働き、 question の品詞(と意味)、 their が指しているものはどうなっているでしょうか。

that question 「あの質問」と見えた人。解釈としては0点です。
ここでの that は関係代名詞で robots を修飾していて、 question は動詞「~を疑う」という意味です。
their の指すものは意味で考えます。
「彼らの現実的で道徳的な判断を疑うロボット」ですから、 their は humans を指しています。
(適当に読んでいると、 their をロボットととってしまいがちです。)

their practical or moral judgments の部分、 practical と moral は形容詞で、どちらも直後の名詞 judgments を修飾しています。
or は形容詞どうしをつなぐ働きをしています。ですので、 their practical で一度区切って、 or moral judgements と読んだ人は解釈が間違っています。
細かい部分ですが注意が必要です。

追加問題

ではもう一つ、最後の問題です。

will humans take robots that question their practical or moral judgments seriously?

 4. that から始まる関係詞節はどこまで続いているか。

さきほどの時点で考えていなかった人は、少し考えてみてください。

解答

that 節は文末まで続いている、と思った人。残念ながら意味がとれていません。
関係詞節の範囲は judgments までです。
Take it easy. という表現はなじみがありますよね。
それと同じように、 take O seriously 「Oを真剣に考える」という表現もあるのです。
読んでいる時には、Oの部分、[robots that question their practical or moral judgments] が一つのまとまりに見える必要があります。
②の文の正しい意味は、「今後、人間の現実的で道徳的な判断を疑うロボットを、人間は深刻にとらえるのだろうか。」です。

英文と意味を再度掲載しておきます。

How people will react when robots reject commands is another open-ended subject for research. In the years to come, will humans take robots that question their practical or moral judgments seriously?

ロボットが命令を拒否する時に人々がどう反応するかは、もう一つの難しい研究テーマである。今後、人間の現実的で道徳的な判断を疑うロボットを、人間は深刻にとらえるのだろうか。

多読における解釈力の重要性

難しい単語もないわりには、意味がとりにくかったのではないでしょうか。上の文を、1回で、もしくは一度読み直すだけで理解できた人は、解釈力に関してはあまり心配がなさそうです。
自分のレベルに合わせて、どんどん多読に挑戦してみてください。
逆に、意味がとれなかった人、あるいは正確な意味をとるのに4回も5回も読み直した人は、解釈力が足りていません。

文章には、ところどころに難しい文がまざっているものです。
正しく文構造がとれないと、複雑な文が出てくるたびに意味を取り違えてしまうことになります。
また、時間をかけてじっくり読めば正確に意味がとれる、という状態も、解釈力としては不十分です。
すらすら読みながら文構造を把握できなければ、読めているとは言えません。
多読を効果的に行うためには、解釈力は非常に高いレベルにまで伸ばしておかなければならない、ということを覚えておきましょう。

そのためには、大学受験用の英文解釈の問題集を解く、そして、正しく理解できた英文を繰り返し音読する。
これが最も効果的です。
最近は良い本もたくさんでています。特に、『英文熟考(上)』はおすすめです。(中級レベル向けです。)

英文解釈を勉強することで、読解速度は一時期落ちるかもしれません。
しかしそれは、その後大きく英語力を伸ばすための準備段階なのです。
多少ゆっくりでも正確に読めるようになれば、訓練によって正確に速く読むこともできるようになります。
一定期間集中して解釈の学習をしたら、多読、速読も取り入れていきましょう。
そうすれば、速く正確に読むことも少しずつできるようになっていきます。