英語高地トレーニング

あらゆる場面で役立つ英語力を身に付けると同時に、英検1級、TOEIC990点を取得するための方法を
世界の英語教育研究の結果を参考にしながら紹介します。
対象:英検準1級、1級、TOEIC700点以上を目指す人

TOEIC対策

 私の経験から、TOEIC950点を超えるあたりまでは、特別な対策をしなくても英語力で点数が取れることがわかりました。しかし990点を目指すとなると話が変わり、自分のミスしやすい部分を補強しなければなりません。英検1級よりも試験対策が必要でしょう。

TOEIC800点を突破するには?

inputを重視する

 まずはリスニングかリーディングのどちらかに重点をおいてたくさんの英語をinputしましょう。初めはネイティブ向けの英語が理解できないと思いますので、簡単なものから始めましょう。ただし、同じ教材を何十回も繰り返すのではなく、新しいものをどんどんinputするようにしてください。リスニングを中心にすれば短期間でスコアが上がります。しかし、ある程度までリスニング学習が進むとそこから先は頭打ちになってしまい(TOEICで言えばリスニングスコア400~450点くらいが目安になります。)、読解力を大幅に向上させる必要が出てきます。

 一方、リーディング力を伸ばすにはかなり時間がかかります。どんなに頑張っても、満足に読めるようになると感じるまでに数年はかかるでしょう。普段から多読を地道に続け、まとまった勉強時間が取れる時期に半年~1年で集中してリスニングを鍛える方法もあります。リスニング強化の間はリーディングのことを考えなくても良いかもしれません。私は、留学をした年はほとんどリーディングをしていませんが、読解力が落ちていることはなく、むしろ少し伸びているくらいでした。

公式問題集について

 この段階で公式問題集を何冊もこなすことはおすすめできません。1冊、あるいは模試1回分で十分です。公式問題集は、900点を超えた後に、質の高い模試として少しずつ活用するためにとっておきましょう。もちろん、模試をたくさん解くことによってTOEICで良く使われるビジネス単語は身に付きますが、TOEICに出題される大部分の単語は多読でもカバーできるのです。

単語・文法対策

 特定の分野では良く出てくるけれども普段は滅多に使われない単語、いわゆる専門用語の割合は、一般的に文章全体の5%程度と言われています(Nation, 2001)。つまり、ビジネスとは全く関係ない文章ばかり読んでいても、多読でTOEIC単語の95%はカバーできるのです。また、残り5%に該当するビジネス単語の多くは、TOEIC用の文法問題集で使われています。文中の単語まで覚えながら文法問題集を1冊こなせば、単語不足で困ることはないでしょう。

点数が伸びない?

 多読を続けてもリーディングの点数が上がらない人は、一つ一つの文を正しく読めていない可能性があります。特に大学受験であまり英語を勉強しなかった人や、英語からしばらく離れていた人には良くある話です。TOEICで出題される長文に複雑なものはありませんが、文を正確に解釈できていないと正解できない問題も含まれています。

 文を正確に読む練習としては、大学受験の英文解釈用の参考書を使って、やや複雑な文を和訳する練習が効果的です。なるべく解説が詳しいもの、特になぜそのような解釈になるのか、というプロセスが詳しく説明されているものを使ってください。一つの文章に数行の解説と全訳しか載せていない問題集では力がつきません。また、必要以上に長い文章を全訳することや、訳の上手さにこだわることは時間の無駄です。効率良く解釈の力をつけることを目指してください。

TOEIC900点を突破するには?

 特別な対策は一切考えないでください。まずはリスニングに力を入れることです。教材英語ではなく、本物のニュース、映画、スポーツ等を毎日大量に聞きましょう。リスニングでもリーディングでも特別なテクニックは入りません。リスニングなら英語を聞いて理解して答える、リーディングなら英語を全部読んで答える、これだけです。900点を目指すレベルの人は、本文を全て読んでも時間が余るはずです。

 ただ、基本的なTOEIC用の文法問題集を1冊解いておくのは良いでしょう。他に文法対策をする必要はありません。文法を何千題も解く時間があれば、その代わりに英語をたくさん読んでください。どんな分野でもかまいません。小説や雑誌が難しくて読めない人は、ネイティブの子ども向けの本やgraded readersから始めてください。読めば読むほどリーディング全般の力がつき、楽に解けるようになります。

 また、TOEIC用の単語対策も必要ありません。単語力不足のせいでリーディングのスコアが伸びない人や、全文読むとリーディングが時間内に終わらない人は、読む量が足りていないと考えてください。(単語帳やTOEICの長文を徹底的に学習することによって、短期間でTOEIC用語彙力をアップさせることはできます。しかし、単語だけをたくさん覚えてもリーディング力や読解スピードは大きく伸びませんので、基本的にはおすすめしません。)

TOEIC950点を突破するには?

 900点を突破するのと同じ方法で勉強すれば良いですが、難しめの素材(ニュース英語、TIME等)に少しずつ移行していってください。読む量、聞く量を増やすことも必要になります。ネイティブ向けの英語が理解できるようになったら、簡単な教材英語を勉強する必要はなくなります。文法に少し力を入れて、穴をなくすのも良いかもしれません。

 このレベルになると、Part7では極力間違えたくないので、より丁寧に問題を解かなければなりません。Part7の問題を解くのにこれまで以上に時間がかかります。その時間を補う為に、900点の時よりも読解スピードが求められます。1分間に150語以上の速さで新聞や雑誌を読めるレベルを目指してください。(→「読解速度について」 TOEICで求められるスピードは?

TOEIC990点を取るには?

 950点を特別な対策なしで取れる英語力をつけてから、990点を取ることを考えてください。そのレベルに達しないで必死に対策をして950点を突破した人だと、その後いくらTOEIC対策をしても伸びないことがあります。

リスニング

 リスニングでは、自分の解き方を確立すると良いでしょう。私の場合、Part3とPart4は、問題文のみ10秒程で先読みし、本文が読まれている間は問題を一切解かず、音声に集中します。本文が終わった瞬間に3題まとめてなるべく早く解き、次の問題を先読みします。自分に合うやり方を模試で探して色々試してみてください。また、Part1、Part2で頻出のひっかけのパターンは満点対策の参考書を1冊やればカバーできます。

Part5

 リーディング高得点のポイントは文法です。文法対策にはある程度時間を割かなければならないでしょう。また、英検1級用の語彙を覚えることはTOEIC満点対策にも効果的です。Part5の4択にも、Part7の本文にも英検1級レベルの語が使われています。本番で実際に役立つかはわかりませんが、難しい単語も怖くないという気持ちを持っていれば精神的に有利でしょう。

Part7

 Part7に関しては、ひたすら英語を読むことでしょうか。TOEIC対策をしっかりこなし、限りなく満点に近づいているのにPart7で毎回3~4問間違えている人は、読書量を大幅に増やすことで解決できます。

 Part7では毎回1~2問、どちらも正解になりそうな微妙な問題があるのですが、これをどのように克服するかは私にはわかりません。もしかすると質の高い模試を何十セット、何百セットと解けば、このような問題を解くコツが身につくのかも知れませんが、このような勉強方法には私は興味がありません。それよりは、大部分の問題を確実に得点できる英語力を身につけて残り1~2問は運に任せるほうが、時間を有効に使った英語学習ができます。

Part別 私のTOEICの解き方

 私がTOEICを受験する時は、特別な解き方をしているわけではありません。しかし、普段から心掛けていること、実践していることもありますので、それらをPart別にまとめてみました。

Part1

 Part1の問題が始まる前には、少し長めのDirectionsが流れます。この部分でPart3、Part4の先読みをする人も多いようですが、私はこの時はPart1の絵を眺めるだけにしています。先読みをすると、Part1を解くための気持ちの準備があまりできない気がするのです。問題が始まったら、始めから集中しすぎないように意識します。やはり、一番集中しなくてはいけないのがPart3とPart4ですから、それまでなるべく省エネで回答したいという気持ちが働いているのでしょう。

 わからない問題がある時も、焦らないようにしています。実はPart1には難問が含まれることもあり、2011年11月に受験した時には、体調の問題もあったと思いますが、私はPart1で3問間違えました。それでもリスニングスコアで470点でましたので、仮にわからない問題があっても気にせず次に進むことが大事でしょう。

Part2

 このPartでは、質問を聞き取ることに全神経を集中させるようにしています。選択肢が聞き取れないことはほとんどありませんので、とにかく質問に集中します。最近では、直接答えになっていないような選択肢が正解になることが増えているようですが、特別なテクニックはあまり必要とされず、自然につながる文を選べばほぼ全て正解できるように作られています。要するに、会話として成立するものを選べば良いのです。私の場合は自然な英語をたくさん聞くことによってこの力をつけましたので、TOEIC用の訓練でこのような力をつけられるかどうかはわかりません。

Part3、Part4

 この2つのPartは私の中では大きな区別はしない部分です。目を閉じて本文をしっかり聴く→全て聴き終わってから素早く答えにマークをする→余った時間で次の問題を読む、この手順を繰り返しています。

 先読みは、その問題の直前までしません。Part1~3のDirectionsの間に全てを先読みするようにすすめている参考書も多いですが、私はなるべくしないようにしています。それだけ急いで先読みをすると、どうしても疲れてしまいますし、読んだ内容が頭に入りません。あるいは頭に入ったとしても、先読みから数十分後に問題を解く時には、すでに忘れてしまっています。結局、もう一度問題の直前に読み直さなければならないのです。それならば、直前に1回だけ読むほうが効率が上がります。

 また、問題を聴いている最中に答えがわかってしまった場合でも、答えを記入しないようにしています。その間に別の情報を聞き逃してしまうのです。2012年7月に受けた時には、明らかに答えがわかる問題があり、つい聴きながらマークしたところ、次の質問に答えるために必要な情報を聞き逃して間違えてしまいました。先にマークをしたのはこの1問だけでしたので、聴くのと解くのを同時にやることの欠点がはっきりとわかりました。

 やはり、聴く時にはしっかり聴き、答える時間に答える、これが一番やりやすいです。目を閉じることで、途中で回答したくなっても、それができない状態を作り出すことができます。

 各質問の4つの選択肢も先読みの時には読みません。4択は、問題を解く時になって初めて読んでいます。こうすることによって、誤った情報が頭に入るのを防ぐことができます。

Part5

 問題文を全て読むようにしています。まず初めに選択肢を見て、問題のタイプを見極めてから問題文を見る人も多いようですが、そうすると、選択肢→問題→選択肢、というように、あちこち目を動かさなければいけません。そうではなく、頭から問題を読んでいけば、時間をロスせずにすみます。空欄まで読んだ時点で解答がわかる場合でも、念のため最後までサッと目を通します。この解き方で10分~13分くらいで40問を解いています。

Part6

 ここでも、本文を初めから読むようにしています。Part6では、選択肢を含む1文だけを読んでも解けない問題が何問か含まれています。1文を読んで解けなければ読む範囲を広げる、というのが一般的ですが、どこまで読む範囲を広げなくてはいけないかは問題によって異なります。それならば最初から全て読んでしまえば結果的に効率が良くなります。もし空欄まで読んで答えがわからなくても、本文を全部読めば回答することができます。このように解いて5分~6分、普通の人よりは時間をかけているかもしれませんが、本番で間違えたことはほとんどありません。

Part7

 Part6まで終わった時点でだいたい55分以上残っている場合が多く、時間的に少し余裕があります。このPartでは100%の集中力は続きませんので、いくつかの文章ではゆっくり読みます。特にやや難しめの文章では、確実に理解し、同時に頭を休ませるためにややスピードを落とすことが多いです。

 解き方ですが、これもまずは本文を全て読みます。精読と速読の間くらいでしょうか。スピードを意識しつつも、ある程度内容を頭に入れながら読むような感覚です。Part7の読解スピードに関しては、「読解速度について」のTOEICで求められるスピードは?を参考にしてください。細かい情報が列挙してある文章では、その部分は覚えようとせずに素早く読みます。細かい内容まで覚えていなくても、回答する時に該当する部分を見れば良いのです。ダブルパッセージでも、2つの文章をまとめて一気に読みます。

 本文を全て読み終わってから初めて問題を読み、答えていきます。答えがどこにあるかわからない場合は、本文全体をもう一度、あるいは二度読み直すこともありますが、少し考えてわからない時はとりあえずその問題は飛ばし、最後まで終わってから戻るようにしています。

余った時間は?

 このように解くと、7分~13分余ります。しかし、自信がない問題や飛ばした問題も数問あることが多いので、残り時間でそれらの問題を見直します。それ以外の問題はあまり見直しません。経験上、自信を持って答えた問題を見直して、答えを変えたことは一度もないからです。おそらく、集中して解いた時が一番正確なのだろうと思います。

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