あらゆる場面で役立つ英語力を身に付けると同時に、英検1級、TOEIC990点を取得するための方法を 世界の英語教育研究の結果を参考にしながら紹介します。

1高度な英語力はテスト対策では身につかない

テストには様々な種類があり、その目的も様々です。学校の定期テストは、生徒の理解度を確認するために行われますし、入学試験や英検(準1級や1級)は、合格者と不合格者を振り分けるために行われます。一方TOEICやTOEFL、大学のクラス分けテストは、受験者をレベル別に分けるために行われます。

では、このような様々な性質を持ったテストに共通していることは何でしょうか。それは、テストは英語力を測るためのものであって、英語力を伸ばすためのものではない!ということです。あるテストの勉強をすれば万能の英語力が身に付き、なおかつそのテスト本来の目的も果たされる、という夢のようなテストは存在しません。

つまり、テスト対策だけを必死にしても、そのテストに対するテクニックが身に付くだけで、英語力自体の大幅なアップにはつながらないのです。英語力は別の方法で向上させなければなりません。残念ながらこのことを理解している学習者は多いとは言えません。また、英語学校等も短期間での成果を求めて、英検やTOEIC専門の対策のみを行っているところがほとんどです。

このサイトでは、英語力自体を向上させるための様々な勉強法を紹介します。私自身、英検1級、TOEIC990点を取得する力をつけるまでに多くの学習法を試し、試行錯誤してきた人間ですので、覚えている限り個人的に役立った方法を紹介します。さらに、世界の有名な英語教育の研究結果とそれに基づいた学習法を紹介し、日本人がどのような学習をすれば高い英語力を身に付けられるか、ということを考えていきたいと思っています。

2日常学習95%、テスト対策5%

これが私が行ってきた学習バランスです。英語力アップのための勉強が基本になります。これだけでもTOEIC900点くらいまでは取ることができるようになります。

一方でテスト対策も無視できません。テストという名前が付いている以上、それに向けてある程度の準備をすることは必要です。例えば、英検1級の二次試験でどのような話題が良く出題されるか調べないで試験を受けに行く人は、まず合格しないでしょう。

テスト対策として私が行ってきた方法を、一般的に行われる試験対策と比較しながら紹介していきます。

3バランスの取れた学習をする

では、英語力アップのために何をしたら良いのでしょうか。Nation & Newton(2009)によると、バランスの取れた英語力を身につけるためには、以下の4つの要素が必要になります。

  • 1.meaning-focused input(何かを知るために読む、聞く)
  • 2.meaning-focused output(何かを伝えるために話す、書く)
  • 3.language focused learning(言語自体についての学習)
  • 4.fluency development(流暢さの訓練)

それぞれの要素と、主な学習法との関係をまとめると、表のようになります。

学習法 1. meaning-focused input 2. meaning-focused output
小説、雑誌、新聞等の多読
ニュースを聞く
映画やドラマを観る
会話で相手の話を聞く
スピーチをする
会話をする
メールを書く
日記をつける
3. language-focused learning 4. fluency development
文法の勉強
単語の暗記
精読
ディクテーション
音声学、発音の勉強
ライティングを添削してもらう
テスト対策
簡単な素材を用いての多読
簡単な素材を用いてのリスニング
速読
繰り返し音読する
10分間書き続ける
5分間話し続ける
単語の意味を繰り返し確認する

理想としては、この4つの要素をほぼ同じ割合で学習するのが良いとされています。しかし現実には、3のlanguage-focused learningが学習の大部分を占めている人がほとんどではないでしょうか。その場合、バランスの良い英語力を身につけるのに必要とされる学習の1/4しかできていないことになります。

ここでは、日本人の多くに必要となる1、2、4の要素の学習法について、私の経験を交えながら説明しています。ぜひ読んでみてください。

4長期間学習を続ける

いくらバランス良く勉強しても、英語を学習(使用)する時間が十分でなければ上達は期待できません。第二言語習得研究の世界では、外国語をある程度使えるようになるための目安として、10,000時間が必要だと言われています。

仮に、毎日2時間、英語を使う時間を確保できるとしましょう。そうすると1年に730時間勉強することになります。10,000時間に達するためには、毎日2時間ペースの学習を14年も続けなければならないのです。

もちろん、中学~大学で英語を習う時間や、宿題、テスト勉強をする時間も含まれますので、きちんと勉強した人であれば、大学卒業時点で3,000~4,000時間は英語にふれていると思います。しかし目安となる10,000時間に到達するためには、さらに多くの学習が必要になります。

バランス良く学習することを考えながら、時間をかけて学習を続けていくことで、様々な場面で役立つ英語力を身につけることが可能になります。

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参考文献

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  • ■ Krashen, S. (1985). The input hypothesis. New York: Longman.
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