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TOEIC受験記
1回目 2006年5月 大学でTOEIC IPテストを受験
初めてTOEICを受験したのは大学4年の時でした。大学では専門以外の部分で真剣に取り組んでいなかった為、4年生になっても多くの単位を取る必要がありました。特に、外国語(英語もしくは第二外国語)は必修8単位のうち5単位しか取っていませんでした。私の大学では、TOEIC IPテストで確か730点以上で外国語2単位分、765点以上で外国語4単位分が認定されるしくみでした。すでに週5日間の授業があった私は、外国語はTOEICで取ろうと考えました。
当時はTOEICについて何も知らず、なんとなく単位認定の点数くらいは取れるだろう、くらいの軽い気持ちで受けました。受験対策としては、TOEICの文法に的を絞った薄めの問題集1冊と、2回分模試が入っている問題集(公式ではないもの)の1回分を解きました。問題の特徴を知るのが目的だった為、模試は解いただけで、間違った問題の復習はしませんでした…予想得点は750点前後だったと記憶しています。
試験当日、細かいことは覚えていませんが、リーディングの最中に頭が疲れてきたのでトイレに行き、全部解き終わった時点で5分余ったことは覚えています。もちろん、試験用のテクニック等は何も使わず(知らず)、本文は全て読みました。
当時のIPテストはリニューアル前のものでリーディングの量が今と比べて少ないものの、多読によってリーディングスピードが上がっていたおかげで、余裕を持って終わらせることができたのだと思います。この頃のリーディングスピードは1分間に130語前後でした。また、ビジネス関係の本や記事は読んだことがなかったので、ある長文の見出しで使われていたcommerceという単語の意味がわかりませんでした。大学入試レベルの基本単語ですね…
結果: L400 R415の815点
無事必要な単位を取得できました。リーディングでは文法での間違いが多かったはずです。文法の4択、誤文訂正問題ではどれか正解か判別できないまま答えを書いた問題がたくさんありました。逆に多読で鍛えていた為、長文は9割程度は正解したと思います。リスニングは、Part3やPart4で、何を話しているか全くわからないものもありました。それまでの学習でリスニングを重視してこなかったので当然ですね。ただし、多読によって細かい部分にこだわらずに全体を把握する力は身についていて、それがリスニングにも役立った結果の400点だったと思います。
2回目 2008年3月
留学が終わって約4ヵ月後に、就職活動に使う為に受験しました。この時はリニューアルされたTOEICを受ける必要があり、一番心配だったのがリスニングでオーストラリア、イギリスの発音が入ることでした。留学前にはアメリカとイギリスの発音の違いもはっきりわかっていなかったのが、留学後にはアメリカの発音しか聞き取れなくなっていて(しかもアメリカ英語がきちんと聞き取れていたわけではありません。)、イギリスのBBC等の英語がものすごく不自然に思えてストレスがたまったものでした。正直、今でもイギリスやオーストラリアの発音は苦手です。
対策としては、模試が何回分か入っている安い問題集を買いましたが、1回分解いてみて驚きました。予想スコアはL400 R290でした。いくらリニューアルされたとはいえ、こんなに難度が上がるはずがありません。以前解いたTOEIC IPとも問題傾向が全然違ったので、その問題集を使うのをすぐに止め、公式問題集Vol.1を買いました。模試は2つあるうちの1番目だけ解き、結果はL84問 R90問正解、予想スコアは835 ~ 920点、少し安心しました。
この他に900点突破を目指すような文法問題集を1冊買いましたが、TOEICの傾向に沿っているとは思えず、途中まで解いて終わりにしました。この時使った公式以外の2冊の問題集は現在でも書店に並んでいますが、TOEIC対策とうたっていながら質の悪い本を出すのはやめてほしいですね。試験中、頭を休める為にトイレに行きましたがやはり5分余りました。
結果: L480 R450の930点
点数から考えてリスニングは93~94問正解したようです。最初のTOEIC受験から留学するまでの約1年で多くの英語を読みましたが、留学開始から1年間はリスニングに重点を置いていて、全くと言っていいほどリーディングをしていませんでした。それでもリーディングのスコアが35点上がっていました。おそらく多聴によって文法知識が補強され、英語の総合力が伸びたのでしょう。ちなみに、その1年間で語彙はほとんど増えていないか、むしろ少なくなったかもしれません。TOEIC用に単語を覚える作業も一切していませんでした。TOEIC900点突破に特別な語彙対策はいらないということですね。私は教育学部英語科出身ですので、ビジネスの知識は全くありません。
3回目 2010年3月
前のTOEIC受験から2年たったのでなんとなく受けてみました。前回の受験後すぐに就職し、英語を勉強する時間がだいぶ減っていましたが、リスニングは少しずつ続けていました。2009年1月からTIMEの定期購読を始め、この頃は毎号半分くらい読んでいました。また大学院に通い始め、1クラス分の単位を取った状態でした。
対策は、公式問題集Vol.1の2番目の模試(結果L92問 R95問正解)と、Vol.4の2番目の模試のリスニングパートのみ(結果L92問正解)を解きました。また、Part7対策の本を1冊解きました。これは本番に似ているものが多く、解答テクニックを身に付けるのに効果がありました。文法、単語の対策は一切していません。試験時間は7分余りました。
結果: L485 R480の965点
リスニング力自体は2008年の時よりも上がっていましたが、スコアには反映されませんでした。リスニング495点を取るにはイギリス、オーストラリア英語対策と問題慣れが必要なのでしょう。リーディングはTIMEを読んでいた為非常に楽でした。また、高校で英文法を教えたことが文法パートの得点にも結びついていたようです。しかしas of ~という大学受験でも問われる基本熟語を知らず、5~10点落とし悔しい思いをしました。この時あまり意識せずに950点を突破しましたが、英語力が上がった分の点の伸びだったと思います。
4回目 2011年10月
大学院と仕事が両立できず、仕事を辞めることを考え始めた直後でした。次の就職の為には満点近い点数が必要だろうと考え、しっかりと試験対策をすることにしました。と言っても、この頃には毎号かかさず全ての記事を読むようになっていたTIMEや毎日1~2時間聞いていたNPRニュースを放ってまでTOEIC対策をする気にはなれず、TOEICの勉強をする時は、ニュースのリスニング45分→TOEICの文法問題集40~50分→TIMEを1時間読む、という感じでした。
文法問題は定評のある問題集何冊かを使い、500問程解きました。模試は公式問題集Vol.4の2番目の模試を解きました(結果L92問 R93問正解)。リスニングは2度目だったのですが、点数は変わりませんでした。しかし面白いことに、間違えた問題8問は1回目(2010年3月)に解いた時のものと全て違っていました。試験当日、時間は7分余りましたが、パート7で迷う問題が数問あり、ラスト数分まで考えました。
結果: L475 R485の960点
仕事を辞めるべきかどうか悩んでいて体調が悪く、前回以上の点数を取らなければいけない、というプレッシャーもあり、点数が伸び悩みました。英語力はTIME、ニュースのリスニング、大学院の授業で相当伸びていましたが。
5回目 2011年11月
初めての連続受験。10月と同じような形で勉強を続けました。文法は、10月の対策で間違えたもののみ見直し、新たに200問くらい解きました。模試は、公式問題集Vol.4の1番目の模試(結果L96問 R98問正解)。本番でこの点数がでれば満点を取れる可能性があったので、次こそ満点と思い、受験しました。一通り終わったところで12分余りましたが、迷う問題でその後しばらく時間を使いました。
この試験を受ける1週間程前に、あるパート7対策の本を半分くらい解きました。本文の読解スピードが測れるようになっていたので試験通りの読み方で読んで調べてみたところ、1分間に180語前後でした。この速さでTOEICの本文を読めれば本番は7~10分は余るようです。
結果: L470 R475の945点
体調は最悪でした。直後の休日はほぼ丸一日寝ていたほどです。疲れはリスニングにもろに影響するようで、この日はリスニングが異常に速く感じ、聞き取れませんでした。リーディングは間違い自体は少なかったのですが、スコアが出にくかった回だったようです。
6回目 2012年1月
4月からの就職にはどうせ間に合わないだろうと考え、気楽な気持ちで受けました。対策は、公式問題集Vol.3の模試1番目のリスニングパート(結果L97問正解)と、満点を目指す人向けの本のリスニングの一部分を試験前日に1時間程勉強しました。
また、2011年12月に少し時間があった為TOEICとは関係なく英検1級用の語彙を450語程覚えたところ、この中の語句のいくつかが、私が受験した過去のTOEICで語彙問題として出題されていたことを発見しました。(そしてそれらはだいたい間違えたものです…)他のどのホームページにも書いてないようですが、TOEICリーディングの難度の高い語彙問題を正解する為には、英検1級の語彙の勉強でかなりの効果がありそうです。
試験の時間配分。Part5(文法40問)13分、Part6(穴埋め)5分、シングルパッセージ20分、ダブルパッセージ25分。計63分。Part7で迷った問題が2問あり、残り時間でずっと考えましたが答えを見つけられず。結局どちらも間違えたようです。
結果: L495 R495の990点
リスニング、リーディング共に2問ずつ間違えていたようなので、運良く満点を取ることができたという感じです。久しぶりに体調が良く、リスニングは簡単に聞こえました。また、満点を取らなければいけないというプレッシャーを感じていなかったことがプラスに働いたようです。試験の1週間前に大学院の集中講座があり、2日間で12時間近くオーストラリア人の英語を聞きました。これだけオーストラリア英語を聞けば発音にも慣れますね。
7回目 2012年7月
満点1回ではまぐれかもしれないし、TOEICを週1回教えていたので、講師なら受験しなければと思い、半年振りに受験しました。対策はなし。週1回の授業の予習をするだけでした。TIMEやNPRのリスニングはずっと続けていて、6月、7月には英検1級を受験していました。
試験の時間配分。文法10分、穴埋め5分、シングルパッセージ27分、ダブルパッセージ20分で計62分。前回よりシングルパッセージに時間を使っていますが、問題が難しかったというより、集中力が切れた感じです。45分リスニングで集中した後、75分間集中し続けるのは大変で、私の場合は必ずPart7のどこかでスピードダウンして頭を休ませないと、ミスをしそうなのです。
普段はシングルパッセージを一気に読んだ後のダブルパッセージで息切れして、25分かかるのですが、この時はシングルパッセージの途中で疲れてしまい、ダブルパッセージで復活しました。迷った問題は文法の2問だけで、数分で見直しが終わりました。今回も、英検1級単語集に載っている単語が正解選択肢として出題されていました!
結果: L495 R495の990点
リスニングは3問ミス、リーディングは100問正解でした。一応、2回連続の満点ということになりました。英語力が一定以上ある人がTOEICの特徴をそこそこ知っていれば、満点、または満点近い点数は取れるということのようです。
8回目 2013年7月
仕事が一段落する時期なので久々に受験してみました。TOEICを教えているわけですから、やはり最近の傾向を知ることも必要です。試験のための対策はしていません。ただ、普段の授業でTOEICの問題を扱っている関係で、頻出単語や問題の解き方に関しては以前よりも頭に入っていました。
リスニングでは、Part1とPart2で問題と問題の間隔が短いと感じました。(調べてみると、Part1~Part3で、公式問題集の間隔よりも1~2秒短くなっていました。)そのせいで最初から焦ってしまい、集中力を維持できませんでした。というのは、Part3やPart4で問題の間隔が短ければ、選択肢を先読みしない解き方が不利になるからです。結局、最後までリズムをつかめないまま進んでしまいました。
リーディングでは逆にすらすら解くことができました。いつも通り本文から読み、全文に目を通すスタイルで解いて、23分余りました。所要時間はPart5が9分、Part6が4分、Part7のシングルパッセージが19分、ダブルパッセージが20分でした。さすがにダブルパッセージの途中になると、疲れてきてだいぶスピードが落ちましたが。
今回は単に文章の量が少なかった、ということもあるのかもしれませんが、選択肢を全て読まなくても自信を持って正解を選べるものばかりでした。公式問題集を何度も解説したからでしょう。TOEICの場合、英語力とは関係なく「問題慣れ」で解くスピードがかなり変わるようです。参考までに、試験前日の時点でのTIMEの読解速度は、1年前と変わっていません。
結果:L495 R480の975点
Part3とPart4でけっこう間違えた感覚がありましたが、なぜかリスニングは495でした。ただ、試験前1ヶ月ほどは英語を聞く時間が非常に少なかったことが影響して、英語の音に対する反応が鈍くなっていました。やはり、普段からかかさず英語を聞かなければなりませんね。そのことがわかっただけでも受験して良かったと思います。
リーディングではPart7の語彙問題を一つ間違えました。知らないものは仕方ありません。他に1~2つ間違えたのでしょうか。それでも、時間内に余裕で終わったことを考えれば悪くないでしょう。英語を読むことが以前よりも楽になっています。点数ではわかりにくいですが、リーディング力自体は伸びていると確認できました。
9回目 2014年2月(リサーチ)
第5回ETS英語能力リサーチを受けてきました。普段から頻繁にTOEICを受験するわけではありませんので、真剣に問題を解く良い機会になりました。不思議なことに、多読、多聴を日常的に続けていると、試験のような特殊な状況での集中力もいっそう高まるような感じです。
問題の内容について書くことはできませんが、通常の公開テストよりも明らかに英文の量が多く、まわりでは20問以上残している人ばかりでした。多少は分析しないともったいないと思い、新傾向の問題は丁寧に見たものの、10分残して全て解くことができました。やはり、TOEICで速読力は重要ですね。同時に、出題形式がどのように変わっても、きちんとした英語力があれば問題なく対応できる、ということも確認できました。