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あなたの語彙数は? ~語彙力測定ツール②~
Vocabulary Size Test
語彙数測定ツール第二弾です。
今回紹介するのは Vocabulary Size Test VOCABPROFILE(BNC)で頻度の高い14,000語(word-family)のうち、何語知っているかを測定するものです。
(VOCABPROFILE(BNC)と単語の数え方については、「TIMEを読むのに必要な語彙数は?」を参考にしてください。)
このテストは1,000語レベルの問題から14,000語レベルまで14段階に分かれていて、それぞれのレベルから10問出題されます。
全て4択ですから、問われている単語に関してわずかな知識さえあれば正解が選べるようになっています。
また、最低限の文脈も与えられているため、読解量の豊富な人は前後のつながりから解くことも可能になるようです。
それぞれのレベルで出題される10問の正答数に100を掛ければ、各レベルに含まれる1,000語のうちの何語を知っているかが計算できます。
例えば、1,000語レベルの問題10問のうち、7問正解すれば、そのレベルの単語は70%知っている、つまり1,000語中700語を知っている計算になります。
14,000語レベルまでの問題を解き、全体の正答数に100を掛けたものが、語彙サイズというわけです。
解き終わった後に SCORE ボタンを押せば、コンピューターが自動的に語彙数を計算してくれます。
全て解かなくても、解いたところまでが計算されます。
結果は保存されませんので、レベル毎に正答率を記録しておくと、後の学習に役立つでしょう。
注意点
このテストを受ける前に気をつけてほしいことが2つあります。
1つ目は、語彙が少ないと感じている人は全てのレベルを受けても意味がない、ということです。
極端な例になりますが、英語を全く知らない小学生がこのテストを受けても、4択ですから35問程度は正解できてしまいます。
すると、計算上は3500語を知っていることになります。
あるレベルの単語10問のほとんどを知らないような場合は、それ以上難しいレベルの問題は解かない方が良いでしょう。
何問解けば良いのか、レベル別に簡単な目安を紹介しておきます。
- 英語が苦手な人
小説の約95%をカバーする4,000語レベルまで(最初の40問)を解く - 中級者: 英字新聞や小説を少し読めるレベルの人
小説の約98%をカバーする9,000語レベルまで(90問)を解く - 上級者: 新聞、雑誌等がそれなりに読めるレベルの人
140問全てを解く
それぞれの段階で7割以上正しく解答できれば、次の段階に進んでも良い頃でしょう。
つまり、初めに40問解いた人は、28問以上正解できたら次回は90問を解いてみる、90問解いた人は、63問以上正解できれば、次回は140問全てを解いてみる、という形です。
ただし、テストは1種類しかありませんので、繰り返し受ける場合は最低でも数ヶ月、できれば半年以上は期間をあけてから解いた方が良さそうです。解いた後も SCORE を出すだけにしておいて、答え合わせはしない方が良いでしょう。
2つ目の注意点は、このテストは総語数を測定するものであって、各レベルの単語の習熟度を正確に測るものではない、ということです。
各レベルの単語を十分に知っているかどうかを知るためには、もっと多くの問題が必要(最低30問と言われています。)です。
あるレベルの正解数が低くても、次のレベルがまた高くなっていれば、あまり心配することはありません。
各レベルの正答率は、おおまかな目安だと考えてください。
私の語彙サイズ
単語頻度レベル (word family) |
正答率(%) |
---|---|
1,000語 | 90 |
2,000語 | 90 |
3,000語 | 90 |
4,000語 | 100 |
5,000語 | 80 |
6,000語 | 70 |
7,000語 | 70 |
8,000語 | 80 |
9,000語 | 80 |
10,000語 | 50 |
11,000語 | 80 |
12,000語 | 70 |
13,000語 | 80 |
14,000語 | 40 |
合計語彙数 | 10,700 |
Vocabulary Size Testを用いて測定した、2012年7月の時点での私の語彙サイズは、10,700語でした。
他の記事で紹介した通り、英字新聞を辞書なしですらすら読むためには8,000語、小説では9,000語、TIMEでは10,000語が必要になります。
多読を長年続けていたおかげで、なんとかこのレベルの語彙数は確保できていることがわかり、少し安心です。
一般的には単語レベルが上がるほど正答率は低くなる傾向にあるようですが、私の場合は少し違っているようです。
10,000語レベルを除けば、5,000語レベルから13,000語レベルまでの正解率がほぼ同じになっています。
これはおそらく、多読を中心にして単語を覚えたからだと考えられます。
文章で使われる語彙の約95%は4,000語レベルまでの単語と固有名詞で成り立っています。
それより難しい語彙になると、使われる頻度の差はごくわずかです。
例えば6,000語レベルの単語と12,000語レベルの単語を比べた場合、文章に出てくる頻度はほぼ一緒なのです。
ですから、多読で出てきた単語を少しずつ覚えていけば、5,000語レベル以上の難しい単語であっても、満遍なくバランスよく学習できることになりそうです。
参考までに、Vocabulary Size Testを使ったNation & Beglarによる実験(2007)では、私の通ったアメリカの大学の日本校で、ノンネイティブ(日本人)の学部生の語彙数は5~6,000語、大学院博士課程の日本人は約9,000語を知っているという結果が出ています。
また、大学院レベルでリーディングの課題をきちんとこなすためには、最低8,000語は知らないと厳しいそうです。
大学院のネイティブがこのテストを受けると、ほぼ全て正解できるとのことでした。
V-Check Testとの比較
前の記事で紹介したV-Check Testは、一般の文章の99%をカバーすると言われている13,384語のうち何語を知っているかを測定するもので、私は10,445語を知っているという結果になりました。
一方でVocabulary Size Testは単語の数え方がV-Check Testとは異なるものの、小説の99%をカバーするとされる14,000語のうち何語を知っているかを測定するもので、私は10,700語を知っていました。
このことから、どちらのテストでもほぼ同じような結果が出るのではないかと考えられます。
Vocabulary Size Testは全て解くと1時間近くかかりますが、各レベルの正答率もわかります。
時間がある時にぜひ一度挑戦してみてください。